安保法制廃止を求める東京大学人アピール実行委員会

安保法案東京大学人緊急抗議集会・アピール実行委員会からの声明文も公開しています。

安保法制廃止を求める東京大学人アピール実行委員会

しばらくお待ちください

全ての東大関係者のみなさんへ

私たち委員会は、立憲主義、民主主義、平和主義にたいして大きな矛盾を抱えている安全保障関連法案に対し、戦前の痛苦の歴史をふまえ、東京大学憲章前文「世界の平和と人類の福祉」に貢献するという決意から、小森陽一東大教授、市野川容孝東大教授および学生たちを呼びかけ人として6月末に発足しました。

私たちは、7月10日に駒場で緊急集会、9月8日に本郷で緊急シンポジウムを行ない、それぞれ、会場収容人数を超える300人、350人が集いました。その 様子は、NHK、毎日新聞、時事通信、共同通信、東京新聞、東大新聞などのメディアでも大きく報じられ、国民世論のうねりとともに東大内でも法案への声が表面化 してきています。

また、私たちが呼びかけたアピールには、900人を超える「東大人」(学生、院生、教員、職員、元教職員、卒業生)からの賛同とメッセージが寄せられました。 寄せられたメッセージは全て、東大OB・OGの参議院議員お一人お一人の議員室に直接届け、このメッセージとの真剣な対話を要請しました。(衆議院議員には手紙を郵送しました。)

しかし、私たちの声が国会に届いているとは、とても言えない状況です。参議院に審議がうつってからも、政府答弁の二転三転、100回を超える審議ストップ、重 要文書の秘匿などが続き、元法制局長官だけでなく、元最高裁長官までもが政府の憲法違反を指弾するに至りました。それにも関わらず、政府は、無理やりに日程を 消化して9月18日までに採決を強行しようとしています。「法案が通れば、“戦後”は終わる」(法学部・石川教授、9/8シンポ)、「アメリカとの約束を民意より 優先するならば、もはや私たちの政府とは言えない」(広渡元副学長、同シンポ)――このまま強行採決されれば、日本の民主主義と立憲主義と平和主義が根底から 揺るがされることになるでしょう。

そこで私たちは、緊急に9月16日に、3度目の東大人集会を行いたいと準備しております。この集会では、本法案への尽きない疑問、反論を突きつけつつ強行採決阻止の声を一つにし、その後、有志で国会前のデモへ合流する予定です。最後まで、これまで先人たちが積み上げてきた知識と論理の蓄積と、絶えざる反省にもとづいて、日本政府の決定的な過ちを阻止するために力を尽くしたいと考えております。みなさんの忌憚のない行動を呼びかけます。

【これから1週間の行動の呼びかけ】
▼東大人アピールへの賛同・拡散をお願いします。
▼9月16日緊急集会に参加してください。
▼集会や宣伝でスピーチしてください。
▼連日の国会前抗議に参加してください。
▼SNSなどで意見や疑問を発信してください。
▼友達・知り合いと議論してください。

法案の廃案を確信して

安保法案 東京大学人緊急抗議集会・アピール実行委員会

以下の文章は、国会議員に向けてFAX・郵送したものです。

東京大学を卒業された国会議員のみなさまへ
「安保法案 東京大学人緊急抗議集会・アピール」へのご賛同のお願い

 私たち委員会は、多くの学者や市民から反対の声があがっているにも関わらず今国会で強行採決されようとしている安全保障関連法案に対し、民主主義の名の下にこの法案の今国会での成立を阻止するという決意から、小森陽一東大教授、市野川容孝東大教授及び学生たちを呼びかけ人として発足しました。

私たちは、東京大学職員組合等の組織に共催していただき、「安全保障関連法案の今国会での成立に反対します」というアピールで、東京大学の学生・院生・教職員・OB・OG、その他関係者の方々にご賛同を呼びかけ、7月10日に集会を開催いたしました。 アピールには702人の東大関係者の方々からご賛同をいただき(7月31日09:00現在)、集会には300人が参加し、たいへん盛況なものとなりました。

多くの方々からご協力をいただき、この度の集会を無事開催することができましたが、7月16日に安全保障関連法案が衆議院で強行採決されてしまい、私たち市民の多くはこの問題をめぐる動向を芳しくないものと感じています。私たち委員会は参議院での強行採決を阻止するための反対運動を続けていこうと考えております。具体的には、9月に再び同様の趣旨で集会を開催することを計画しております。

この法案の強行採決を阻止するために、下記3点についてご検討いただきたく思います。

1.「安保法案 東京大学人緊急抗議集会・アピール」へのご賛同・メッセージのご寄稿
ご賛同される際は、本ホームページのwebフォームからご記入していただくか、FAXさせていただいたアピール賛同用紙にご記入していただき、FAXで送信していただきたく思います。メッセージは随時Web上で公表いたします。なお、ツイッター等でご賛同の旨を公表していただけましたら幸いです。

2.安全保障関連法案の強行採決に対する反対意見のご表明
各種メディア等を通じて、反対する理由や法案の内容及び採決の手続きに関する問題点などを広く市民にご表明していただきたく思います。

3.今国会での否決に向けた活動の強化
この法案の内容や採決の手続きの問題点について国会でさらに審議していただき、強行採決を阻止するためにご尽力していただきたく思います。

国民の理解を得られていない法案の内容そのものに反対、短い審議時間での強行採決に反対など、この法案については様々な意見があります。そしてこのことは、政治家の方々にも当てはまるはずです。党としての意見はひとつかもしれませんが、一政治家としての信条は皆一様ではないはずです。

法案の強行採決に反対の方々には、その誇りと信条にかけて、ぜひ政権の横暴に苦言を呈していただきたいです。貴殿の発言によって多くの国民が勇気づけられることを確信いたします。

そして、それでも今国会で採決するという方々は、この法案の結果生じる犠牲から目を逸らさずに、心に留めてください。自分たちの国は自分たちで守ると言っても、実際に戦場で命を散らすのは自衛官であり、外国の戦闘員であり、そして戦闘が行われる地域の民間人です。貴殿方政治家でもなければ、私達一般市民でもありません。この法案を通してしまった我々には、法案に対する、そして法案による全ての犠牲に対する責任があります。法案を採決した貴殿も、法案を阻止できなかった私も、戦場で精神をすり減らし、命を散らしていく彼らを直視し、心に重く受け止めなければなりません。

委員会に届けられたメッセージが本ウェブサイトに掲載されています。これが国民の声です。お忙しいこととは思いますが、このメッセージ一つ一つをぜひ読んでいただき、国会審議に望んでいただきたく思います。

どうぞよろしくお願いいたします。貴殿の政治家としてのご活躍をお祈り申し上げます。

安保法案 東京大学人緊急抗議集会・アピール実行委員会

「安保法案 東京大学人緊急抗議集会」集会アピール

1. 私たちは安全保障関連法案の今国会での成立に反対する。
 第一に、政府は立憲主義を蹂躙している。憲法9条のもとで集団的自衛権が許されないというのは、学説上も、政府解釈でも、司法の場でも、半世紀以上とられてきた解釈である。

 第二に、政府は民意に背き、国民に対する誠実な説明責任すら果たしていない。これほど国民に直接的な影響を持つ立法であるにもかかわらず、説明もなおざりに、数の力で強行する。これを民主主義ということができるだろうか。

 第三に、この法案は未来に巨大な禍根を残す。法案成立の先には何があるだろうか。自衛隊の活動への歯止めがはずれれば、軍事同盟を結ぶアメリカの戦争に本格的に加担することになる。日本がテロの対象国となる危険性は格段に高まる。米軍基地は維持・拡大に向かい、沖縄の民意は踏みにじられるだろう。アジアの周辺諸国やイスラム諸国とのあいだにいっそうの緊張が生まれ、実際に軍事的な行動を行えば、多くの国を敵に回すことになる。

 戦時下では言論の自由が実質的に、また制度的に制限される危険があり、学問研究の自由もおびやかされるだろう。そして、国民が主権者として行動する権利が失われる。

2. 道はこれだけではない。
 日本が世界の国々とどのような関係を結んでいくか。私たちには、多様な意見・対案がある。「集団的自衛権を導入しなければ国際貢献ができないということはない」、「国際貢献の相手は米国だけではない」、「自衛隊が復興支援活動を行うときにも、戦争を放棄した日本だからこそ、現地の人びとからも歓迎された」、「憲法9条があるからこそ、東アジアに平和に基づく国際関係を広げる役割を日本が果たせる」等々。日本の安全保障政策や外交政策について、法案を廃案にしたあとも、私たちは議論を続けていく。

3. 私たち一人一人に行動する責任がある。
 私たちは、自分たちの生活をまもるために、自覚的に行動しなければならない。一人ひとりが立ち上がり、さらに、私たちが東京大学人に呼びかけたように、各地のコミュニティで行動をつくることができれば、これまで表面に出なかった声も呼び起こす。このようにしてかつてない規模でのうねりを起こしてこそ、政権の暴走を阻止し、法案を廃案にすることができる。

 私たちはまた、東京大学の構成員としての社会的責任も果たしたい。東京大学には学問研究の拠点としての社会的使命がある。東京大学という巨大な機構が、もっぱら権力のために使われるか、それともより広い人類社会のために使われるかは、日本社会の帰趨にも大きな影響を持つ。軍事研究への大学の協力の要請など、目前で問われている問題もある。私たちは、この東京大学の力が正しく活かされるように責任を果たさなければならない。戦前、東京帝国大学は戦争遂行の協力者となり、学問の自由を手放し、多くの学徒を戦場に送る破局的な過ちを犯した。この惨禍をふたたび繰り返さないことは、私たちの先人への誓いであり、未来の世代への責任である。

4. 行動提起
 この意思を実践するため、私たちはさらなる行動をすすめる。

 一つ、東京大学内における行動と議論を前進させる。法案の廃案まで、アピール賛同の拡大や情報発信をするほか、個々人が議論をまきおこし、平和に貢献する東大につくる。

 二つ、学外にたいし、各種メディアを通した発信にとどまらず、この署名・メッセージを国会議員や行政に届けたり、SEALDsその他の主催する抗議行動に参加するなど、あらゆる方向から政府に圧力をかける。

 三つ、私たち個人が、政治的自覚と行動を確かなものとするため、それぞれの立場で学び続ける。連帯強化と両立して、一人として独立する姿勢があってこそ、学問の自由の真価を発揮し、社会の発展に貢献することができる。

以上のような行動の発展に力を尽くすことを、ここに決意し、集会アピールとする。ともに頑張りましょう。

趣意文

安倍政権による安全保障関連法案成立の動きに際して

安保法案 東京大学人緊急抗議集会・アピール実行委員会

呼びかけ趣意書

戦後70年が経とうといういま、政府によって日本の国のかたちがおおきく変えられようとしている。日本はどのような道へ進むのか、われわれはその決定的な岐路に立っている。

政府が今国会中にも成立させようとしている「平和安全法制整備法」および「国際平和支援法」は「切れ目のない」対応という名目のもと、戦争に対して日本がいかなる姿勢をとるのか、その致命的な変更をもたらすものである。われわれはこの法案に対し「安全保障関連法案の今国会での成立に反対する」という一点のもとに共同し行動することを、東京大学のあらゆる構成員 に呼びかける。

本法案の争点は多岐に及び、われわれは多くの疑問や危機感をいだいている。憲法改正の手続きを経ぬまま、従来確立されていた自衛隊の最も基礎的なあり方さえ一時の政府の憲法解釈変更と法案の強行採決によって変更する、これは明らかに立憲主義に反するのではないのか? 法案にあるような後方支援を拡大すれば、自衛隊が本格的な戦闘をおこなうことになるのではないか? すでに武力行使ではないなどとは言えないのではないか? この法案が通れば本当に日本はより安全に近づき国際的な平和にも貢献できるのか? 疑問は尽きない。国会の審議における政府答弁は 政治的責任に応えたものではなく、様々な識者の意見によっても問題は積み重なるばかりである。われわれはこの法案に対して、抗議の声を上げずにはいられない。

東京大学には、戦前、軍国主義の波に飲まれ、学問の自由を失い、多くの学徒を戦争に動員された痛苦の歴史がある。ふたたびその歴史を繰り返さぬために力を合わせ、平和と民主主義の破壊を止めることは、われらが先人への誓いであり、未来の世代への責任である。今こそ、自らの教育・研究を通じて「世界の平和と人類の福祉」に貢献するという決意(東京大学憲章・前文)を発揮し、全東大人の平和への意思を示すときではないだろうか。

われわれは具体的な実施計画として次のことを提起する。一)「安全保障法制の今国会での成立に反対する」の一点で結集する集会に向け、集会への参加の呼びかけとともに、その主張にたいする賛同・メッセージを、東京大学の学生、職員、教員、OBOGの各方面に募る。二)集会において、各登壇者がスピーチをおこない、また募集したメッセージをもとに作成した集会アピールを 採択に付す。三)以上の結果を政府、国会議員、メディアに訴え、広範かつ有効な波及をねらう。 四)この度のたたかいは、今国会が9月下旬まで延長されることを考慮し、学生・研究者はその本分たる学業学問の両立も鑑みつつ、集会後も持続した行動をとることを確認する。

いまこそ、われわれはどこから来て、どこへ向かうのか、その問いに向き合わなければならない。法案阻止を確信し、即座に行動を開始してゆきたい。

2015年6月29日

安保法案 東京大学人緊急抗議集会・アピール実行委員会

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